くすりのQ&A

中毒110番 くすりの相談室
(財)日本中毒情報センターが行っているもので、
薬や家庭用品の誤飲・誤用時の応急処置を
電話で教えてくれます。
山口県薬剤師会が行っているもので、病院又は
市販の薬について電話で教えてくれます。

筑波中毒110番
TEL:0990-52-9899

(ダイヤルQ2、
情報料100円/分、)
(9時〜17時、12/31〜1/3除く)

山口県薬剤師会
TEL:0839-23-1193
(9:00〜12:00、13:00〜16:00)
(土、日祭日、休み)

大阪中毒110番
TEL:0990-50-2499
(ダイヤルQ2、情報料100円/分、)
(24時間、年中無休)

協同組合オリエックスチェ−ン「くすりの相談事例集」より抜粋

(1)使用期限(有効期間)と保存について
(2)くすりの飲み方・使い方について
(3)妊婦・授乳婦の服用について
(4)小児の服用について
(5)中毒(誤飲、誤用)について
(6)相互作用について
(7)副作用について
(8)その他


(1)使用期限(有効期間)と保存について
Q1 
くすりに使用期限か記載されていますが開封してからですか?

Q2
くすりを開封した後の保管の方法は、どの様にすれば良いですか?

Q3
開封後、どの位の期間使用可能ですか?

Q4
使用期限の記載のないものは、どの位の期間使用可能ですか?

Q5
使用期限の切れたものを使用したらどうなりますか?


Q1
くすりに使用期限が記載されていますが開封してからですか?
A
使用期限や有効期限は、開封後の品質を保証しているわけでありません。使用期限は、開封していない製品を添付文書やケースに記載されている条件の下に保管した場合に限り、品質が保証される期限を意味しております。

Q2
くすりを開封した後の保管の方法は、どの様にすれば良いですか?
A
○直射日光を避け、なるべく湿気の少ない風通しの良い所に、密栓をして保管してください。
○薬は梅雨期、夏期に湿潤しやすいので、密封性の高い缶等に入れてをきちんと閉めて、室温(1〜30度)に保管して下さい。(シリカゲル等の乾燥剤を入れておくと更に良いです。) (錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤等)
○液剤、目薬、点鼻薬、坐薬等は、栓をきちんと閉めて、冷蔵庫(15度以下)に保管して下さい。(特に目薬、点鼻薬、坐剤)
(注)
アルミの袋に入っている薬は、アルミの防湿効果があるので、アルミの袋を開封しなければ、そのまま風通しの良い場所に保管してください。アルミの袋を開封したものは、アルミの袋の開封部分を折り曲げてシリカゲル等の乾燥剤を入れた缶に保管した方が良いです。薬箱の中は、少なくても1年に1回は見直してください。

Q3
開封後、どの位の期間使用可能ですか?
A
開封後、添付文書に記載されている通りに適正に保管されていることを条件として…

形態 使用可能期間(目安) 条 件 等
瓶入りの錠剤、カプセル剤 1年以内 栓をしっかり締め、薬箱又は缶内に室温保管
PTP包装のアルミパック入り 半年以内 吸湿による変質を防ぐためにアルミパックに
してあるので、開封後の使用可能期間は短か目
PTP包装でアルミパック無し 使用期限まで 室温、薬箱、缶内に保管
アルミヒート入
りの顆粒剤
未開封のもの 使用期限まで 室温、薬箱、缶内に保管
1/2〜1/3
使用のもの
2〜3日以内 カットした部分を折り返して、缶内に保管
分割服用の液剤 シロップ剤 6カ月以内 冷蔵庫保管
生薬製剤  3カ月以内
目薬 3カ月以内 冷蔵庫保管
坐剤 1年以内 冷蔵庫保管
外用薬(軟膏等) 1年以内 蓋をしっかり締め、室温保管

☆PTPから薬を取り出したものは、すぐに、服用すること。服用予定がない場合は、廃棄して下さい。
☆液剤で一度計量カップにとった液は戻してはいけません。
☆目薬を使用する時は、まつ毛や瞼に直接触れないようにして下さい。
   (雑菌の混入により、液が汚染され、白濁、沈殿等の原因になる。)

Q4
使用期限の記載のないものは、どの位の期間使用可能ですか?
A
使用期限や有効期限のないものは、製造後添付文書に記載されている条件下で開封しなければ最低3年は品質が保証されています。ただし、いったん開封してしまいますとこれらの期限は無効になり意味を持たなくなります。なるべく密封容器などに入れて、しっかり栓をして直射日光の当たらない、涼しいところに保管(冷暗所)したとして、品質が保証される期間は目安として、瓶入りの錠剤、カプセル、軟膏剤は開封後6か月〜1年とお考えください。

Q5
使用期限の切れたものを使用したらどうなりますか?
A
使用期限や有効期限は、通常では余裕をもって設定されています。添付文書に規定されている条件下に保存した場合、開封していなければ、実際上は少々期限をすぎても十分使用に耐えると思います。しかし、保証は出来ないと言うことです。一度でも使用したことの有るものについては、有効かつ安全に使用できるのは冷暗所に保存したとしても使用期限以内で、かつ開封後、瓶入りの錠剤やカプセル、軟膏剤は6か月〜1年と考えた方がよいでしょう。もし期限の切れた製品をお使いになった場合、
@成分が分解してしまって、効果がない。
A分解物を生じていて、それによって予期しない副作用が出る。
B雑菌で汚染されていたためにその菌に感染するというような事態を引き起こす可能性がある。

(2)くすりの飲み方・使い方について

Q1
薬を飲むときに食後、食前、食間とありますが、これらはどういう意味ですか?

Q2
1日4回、6時間毎に服用するように言われたが、何時から飲み始めたら良いのですか?
夜中も飲まなければいけないのですか?

Q3
飲む時期か指定されていない薬は、何時飲めばいいのですか?

Q4
酒と一緒に薬をのんで大丈夫ですか?薬を服用後、お酒を飲んで良いですか?

Q5
薬は水で飲まなければタメですか?お茶、コーヒー、牛乳、あるいはドリンク剤で飲んでは
いけませんか?

Q6
薬の量は大人も子供も同じ?体格差は?男女差?また、年齢差はありますか?

Q7
1日3回、2回、1回と薬を飲む回数か、色々あるのは何故ですか?

Q8
いつも飲んでいる薬を飲み忘れたときは、どうすれば良いですか?

Q9
ドリンク剤を毎日2〜3本飲んでいますか大丈夫ですか?

Q10
毎日解熱鎮痛剤を長年飲み続けていますが、体に悪くないですか?

Q11
風邪で熱はありませんが、核が出て止まりません。市販の核止め液を10日ほど
飲んでいる。まだ続けても良いですか?

Q12
風邪薬を買いましたが能書に副作用が書いてあります。心配で飲めません、
別のものかlましいのですか?

Q13
1週間ほど旅行にいきますが、その間ずっと酔いどめの薬を飲んでいて 良いですか?

Q14
風邪薬を、風邪が治るまで飲み続けても良いですか?
又、鼻炎薬を花粉症か治るまで飲み続けても良いですか?

Q15
ステロイド剤の軟膏を化粧の下地に使っても良いですか?


Q1
薬を飲むときに食後、食前、食間とありますが、これらはどういう意味ですか?
A
薬の服用で大切なことは、定期的に飲むことです。
食前とは、食事をとる約30分〜1時間前のことです。
食欲増進剤や漢方薬、吐き気を抑える薬は、この空腹時に飲むと効果が高いようです。
食間とは、食後2時間位してから飲むのが目安です。
これも空腹時ですが代表的な薬としては、消化性潰瘍治療剤があります。食事中に服用するこではありません。
食後とは、食事をした後約30分以内に飲むことです。
市販薬、医者から出される薬を問わず、多くの薬がこの指示で出されます。

なぜ、食後に飲む薬が多いかと申しますと
@食べ物が未だ胃の中に残っているので、薬で胃を荒らさなくてすむ。
A食事と組み合わせれば、飲み忘れもしにくい。

以上の2点です。
したがって、胃のあれを防ぐことが第1の目的の場合は、きちんとした食事が取れないなら、クラッカー1枚でも良いですから、何か少しでも胃の中に入れておけば、胃への薬の負担は軽くなります。

尚ビタミンE剤や酪酸リボフラビン等のような脂溶性の成分の入っている薬は、食後に服用した方が効果があります。食後は、胆汁酸が分泌されますので吸収され易くなるからです。

以上のように、食前、食間、食後の区別は薬の効き目を良く発揮させる同時に、副作用を避ける意味もありますので守って飲むようにしてくだい。頭痛や歯痛、生理痛などで、すぐにでも痛みをとりたい人は、空腹時に飲むことも考えられますが、頭痛が治っても胃が痛んだのではしょうがないので、やはり、何か少し食べてから飲むようにしてください。

Q2
1日4回、6時間毎に服用するように言われたが、何時から飲み始めたら良いのですか?夜中も飲まなければいけないのですか?
A
寝る時間をはずせるように時間の配分を考えた上で、飲み始めて下さい。ただ、痛み止めの薬でしたら、痛いときに直ぐ飲んだ方が良いかも知れません。良く眠っているのにわぎわざ起こしてまで飲ませるよりは、その時間をはずせるようなスケジュールを考えてください。食事時間が薬を飲む時間と重なってしまった場合には、食前か食後かにずらせば問題ありません。

薬を時間ごとに飲むべきものは、たとえば、喘息、てんかん、不整脈の薬、抗性物質などです。これらは、血中濃度をできるだけ一定に保つことにより効果を上げるタイプです。そのために設定された服用時間をできるだけ守ることが大切です。

Q3
飲む時期が指定されていない薬は、何時飲めば良いのですか?
A
ビタミン剤、ドリンク剤などが該当します。
これらの薬は、胃の弱い人なら何か食べた後の方が良いと思います。
丈夫な人は、何時飲んでも大丈夫です。1日2〜3回一は飲む回数が決められている場合には、食後30分以内に飲まれた方が飲み忘れもなく良いようです。胃の丈夫な人は、空服時に飲んでも大丈夫ですが飲み忘れのないようにしてください。

Q4
酒と一緒に薬を飲んで大丈夫ですか?薬を服用後、お酒を飲んで良いですか?
A
酒と一緒に飲んではいけません。
薬の効き目を増強したり、減少させたりするので、少なくとも薬を服用しているときは、お酒を飲まないようにしてください。
(注)
●特に催眠剤や精神安定剤と併用すれば、薬もお酒も中枢神経に作用するので、薬の効果が強く出過ぎる場合があります。
●風邪薬、鏡痛剤、咳止め等も、中枢神経系に作用する成分が配合されているので避けてください。
●お酒は、薬の過剰吸収を促し、思わぬ強い作用が出る場合があります。
(例外)
ビタミン剤、滋養強壮剤、二日酔の効能を持つ製剤。
どうしても、お酒を飲む必要がある場合には、お酒を飲む2〜3時間前に薬を飲むようにして下さい。

Q5
薬は水で飲まなければダメですか? お茶、コーヒー、牛乳、あるいはドリンク剤で飲んではいけませんか?
A
○一般的に、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等は、水なしで服用すると口腔や食道に着きやすいので、必ずコップー杯の水か、白湯で飲むようにしてください。(特に、カプセルは食道に着いて、溶けてしまうと薬の効き自が現れないだけでなく、炎症や潰瘍を起こすことがあります。)

●コーヒー、紅茶、お茶で鎮痛剤や風邪薬を服用すると、人によっては、カフェインの作用が増強される場合があります。(カフェインや鉄を含まない製品(薬)を飲むことは可能です。)

●お茶と鉄剤を一緒に飲むと、お茶の成分のタンニン酸と鉄が結合して、タンニン鉄の沈殿を生じ効果が半減する場合があります。

●牛乳はカルシウムを多く含んでいるので、水に溶けにくい化合物を造り吸収を悪くします。(テトラサイクリン、ニューキノロン系抗菌剤)又、便秘薬等の腸溶性の被膜を施してあるものは、牛乳により腸溶性が失われてしまいます。便秘薬の場合、胃内で溶けてしまい胃障害の原因になります。

●ジュースは、酸味の成分があるので場合によっては薬に影響を及ぼすことがあるので、避けた方が無難でしょう。又、Ca桔杭薬をグレープフルーツジュースで服用すると、血中濃度が高くなりすぎて副作用の危険があると指摘されています。

●薬はドリンク剤で服用することはそれ自体問題がありませんが、ドリンク剤は100ml以下であるため量的に少なく、水か白湯を補給するとよいでしょう。ミニドリンク剤の場合は特に必要です。

Q6
薬の量は大人も子供も同じ?体格差は?男女差は?また、年齢差はありますか?
A
市販薬では15才以上を大人とし、15才未満11才以上とか、11才未満6才以上というように年齢層をいくつかに分けて用量を定めています。つまり大人と子供では薬の飲む量は違います。

体格や体重について、日本人の場合は体重50〜60kgの人を標準として用量が決められています。例えば、お相撲さんと私たちでは100kg以上の違いがありますから、薬の量は違うかもしれません、しかし体重とからだの機能は正比例するわけではないので、必ずしも大きいから用量も多いとは断言できません

男女差は、女性は少なめの方がいいと言う医師もいますし、あまり関係ないという医師もいてまちまちですか、あまり差はないと思います

年齢的には、お年寄りに注意してください。薬を代謝する肝臓や排泄する腎臓の機能が衰えているため、薬が体内に残って効きすぎる場合がありそこで副作用が出ては大変ですから、 普通大人の1/3〜1/2の量から始 めて様子をみながら徐々に増やしていくのが良いと言われています。しかし、これにも個人差があって、高齢者すべてがそうだとは言い切れません。食欲が普通の人と変わらず、きちんと代謝されていれば薬の量を変える必要はないでしょう。薬の高齢者への用量はまだ決まっていません。

子供の薬用量は、主に体表面積から割りだし薬の種類によっても増減されます。よく、小さな子が熟を出したときに、大人の飲む薬を少しだけ与える母親がいますが、やめてください。体の仕組が完成していない、特に乳幼児には 小児用の薬を飲ませてください。効きめが強く出て、思わぬ副作用が出る場合があります。

Q7
1日3回、2回、1回と薬を飲む回数が、色々あるのは何故ですか?
A
薬には、それぞれ効きめの有効時間があるからです。

口から飲んだ薬は胃でとけ、腸で吸収(血液中に入ること)され、門脈を通って肝臓に行き、ここでいったん解毒(代謝)され、解毒され切れなかった薬が心臓や肺をめぐり、血液によって全身をめぐります。この血液の中へ入った薬の成分量(血中濃度)が最も多くなってから徐々に減り、半分になるまでの時間を、半減期といいます。又、その薬の作用が続く時間を作用持続時間あるいは有効時間といい、これが薬によって異なるからです。

有効時間を過ぎれば薬は効かなくなってきますから、その頃を見計らって再び飲む。この間隔が薬によって違うため、1日3回とか1日2回という飲み方になるわけです。 ちなみに、一度飲んだ薬のほとんどが排泄されるには、半減期の5倍かかります。

Q8
いつも飲んでいる薬を飲み忘れたときは、どうすれば良いですか?
A
薬によって対処法も違いますが、一般的には気がついた時に飲むか、次に飲む時間が近ければそれまで待って、1回分だけ飲むということで良いと思います。2回分を一度に飲むことは絶対にいけません。

風邪で頭痛や熱があったとき、1日3回服用の場合、朝食後1回飲んだが、昼食後飲み忘れて、気がついたら3時だった。この様な場合は、頭痛や熱がなくなっていれば飲む必要はありません。しかし、まだ症状が残っている時には、すぐに飲んで、次ぎは夕食後のむ様にします。5時位に気がついたとしましたら、この時は飲まないで夕食後飲んで後は用法用量通り飲んでください。

Q9
ドリンク剤を毎日2〜3本飲んでいますが大丈夫ですか?
A
現在市販されているドリンク剤は、30もしくは50〜100mlの製品が一般的で、どのメーカーの製品も注意文書に「大人1日1本」と表示されています。

ドリンク剤の表示に医薬品とあれば、口当りが良いからとか、飲むとシャンとするからと1日2本も3本も飲んだり、「値段が同じならジュースやコーラを飲むよりは」といった安易な考え方はいけません。多少飲み過ぎても特に重篤な副作用が現れる危険性は少ないと思いますが、あくまで医薬品として定められた量を守って服用してください。

Q10
毎日解熱鏡痛剤を長年飲み続けていますが、体に悪くないですか?
A
薬の使い方には、人きく分けて2通りのタイプがあります。
@薬を飲み続けることで病気の進行や症状を抑えるタイプ。(血圧降下剤、抗糖尿病薬など。)
A痛みや発熱などを抑えるために、短期間その症状が消えるまで服用するタイプ。(消炎剤、解熱剤など)

解熱鎮痛剤はAに入る薬で、何年もの間継続的に飲み続けたり、1日に何回も飲むものではありません。もし必要な量を服用して十分な効果がなければ、一度医師の診察を受けたはうが良いでしょう。

「決められた量より多く飲めば、より一層効果がある」と言った、素人判断でこうしたことを続けていると、アレルギーや思わぬ副作用が現れたりするばかりでなく、精神的にもその薬なしでは生活ができないようになってしまいます。

Qll
風邪で熱はありませんが、咳が出て止まりません。市販の咳止め液を10日ほど飲んでいる。まだ続けても良いですか?
A
咳どめはそんなに長く飲み続けるものではありません。咳でエネルギーを消耗してつらい、眠れないというようなときだけ、数回使うだけにしてください。咳の程度にもよりますが、通常の風邪によるものでしたら3〜5日飲めば治ってしまいます。もし、効果がないようでしたら中止してください。漫然と飲み続けると悪い結果を招くことになりかねません。単なる風邪による咳でないこともありますので、一度医師の診察を受けてください。

Q12
風邪薬を買いましたが能書に副作用が書いてあります。心配で飲めません、別のものがほしいのですが?
A
現在市販されている薬で副作用の全く無いものはありません。他の風邪薬の添付文書にも使用上の注意の項にほとんどの場合、副作用が書かれています。記載されている副作用は必ずそれが出ると書いてあるのではなく、副作用が出るのを少なくしたり、万一副作用が出たらその副作用がひどくならないように注意を促してその後の対処を書いたもでのです。

一般に副作用の少ないものが一般用医薬品として売られていますので、アレルギーや持病がない場合には、正しい用法・用量を守れば、とりたてて心配する必要はありません。

(参考)

副作用の発現頻度は、通常下記の表現で現されます
「まれに」 0.1%未満
「ときに」 0.1〜5%未満
上記のような表現がない場合 5%以上または頻度不明

Q13
1週間ほど旅行にいきますが、その間ずっと酔いどめの薬を飲んでいて良いですか?
A
毎日バスに乗る30分〜1時間前に用量通り飲んでもかまいません。酔いどめの薬の中には、1日1回の服用で効果を維持するものもあります。特に、長期間の旅行の場合には、この服用量を十分守って飲んで下さい。しかし、一週間以上連続して服用した場合に、ごくまれに、服用を中止した後にリバウンド現象のような症状が出て、眩暈、吐き気、悪心などが現れる場合があります。この様な人は、3〜4日服用したら、2〜3日中止して再度繰り返して飲むようにしてください。又、このような方法がとれない場合には、できるだけ飲まない日を作って連続して飲むのをさけてください。

Q14
風邪薬を、風邪が治るまで飲み続けても良いですか?
又、鼻炎薬を花粉症が治るまで飲み続けても良いですか?
A
市販の風邪薬は、3〜5日を限度にして、それ以上飲まないでください。3日間飲んで全然良くならないか、酷くなっていくようなら、風邪以外の二次感染を起こしている可能性もありますので、医師の診察を受けて、症状にあった薬を処方してもらう方が良いでしょう。症状に改善がみられるようでしたら5日を限度にお飲みください。5日を過ぎても、あまり良くならない場合には医師の診察を受けて下さい。

スギ花粉症の場合は、症状が比較的長期にわたるため、一概に「1カ月以上連用しないでください。」とはならず、その服薬指導には苦慮するところです。しかし、鼻炎薬はあくまで対症療法剤ですから、症状のある時のみ服用するものです。花粉のシーズンを通して症状の有無にかかわらず連用するものではありません。症状のあまりない時や軽いときは、休薬するなどして服用をコントロールすれば、花粉のシーズン中服用しても可というべきでしょう。

Q15
ステロイド剤の軟膏を化粧の下地に使っても良いですか?
A
絶対に使用しては、いけません。
ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤ともいう)は、あらゆる病気に使われると言ってもいいほど、応用範囲の広い薬です。効き目が鋭い、反面、副作用も多く、時には重大な症状になることがあります。そのため、長い間続けると、副作用の危険が高まると同時に、止めたときに急激な症状(リバウンド現象)が出るのが怖いのです。

顔に塗ってみると、確かに透明感が出て色白になったように見えます。これは、薬が顔の表面の毛細血管を収縮させるための蒼白化現象なのですが、化粧ばえするし、「綺厳になった」なんて言われて続けていると、何か月か使ううちにポツポツと顔に赤い発疹が出てきます。毛細血管も拡張し酒さ様皮膚炎という副作用が出てきます。こうなるとなかなか治りません。薬を止めるとリバウンド現象が出て、さらに悪化してしまいます。長く使っていれば、いずれこの様になりますので、ステロイド剤は、化粧品ではないので、絶対使わないようにしてください。

<ステロイド剤を使う時の注意事項>
@粘膜、創傷又は炎症部位、水虫、水痘、たむしなど又は化膿部位には、便用しないこと。
Aカビ、細菌、ウイルス性疾患には、使用禁止。
Bおむつかぶれに使用するときには、カンジダ症に注意すること。
C長期連用(2週間程度)、広範囲の使用、湿疹、ただれの酷い時には、 使用しないこと。
D化粧下には使用しないこと。
E使用中に発疹、化膿などが現れたときには、使用を中止すること。

(3)妊婦・授乳婦の服用について

Q1
妊娠と知らず市販の薬を飲んでしまいましたが大丈夫ですか?
妊娠中風邪薬を飲みたいのですか、胎児に影響かありますか?


Q2
妊娠9か用になりますか、便秘薬を飲んで良いですか?また、浣腸はどうですか?


Q3
授乳中ですが、風邪薬を飲んでも大丈夫ですか?授乳中ですか、
乗り物酔いの薬を飲んで良いですか?


Q4 妊娠時に薬を服用した場合、その結果の実例はありますか?
(1)催眠・鎮静剤
(2)解熱鎮痛剤
(3)総合感冒薬
(4)鎮畢剤(乗物酔用薬)
(5)鎮咳去痰剤
(6)鼻炎薬
(7)緩下剤
(8)胃腸薬

Q1
妊娠と知らず市販の薬を飲んでしまいましたが大丈夫ですか?
妊娠中風邪薬を飲みたいのですが、胎児に影響がありますか?
A
現在販売されている市販の薬は、安全性が確立されており、又、作用も緩和であるので、風邪薬のような治療薬ならば短期間に用法・用量通り飲んでいる場合は、まず心配ございません。添付文書に妊娠についての注意項目のない薬、例えばビタミン剤なども、用法・用量通り飲んでいる場合は、心配いりません。いずれの場合も必要最小限にとどめることが大切です。

受精前から妊娠3週末までに飲んだ薬の影響は、たとえ薬の影響を受けたとしても、卵子は受精能力を失うか、受精しても者床しなかったり、妊娠早期に流産として消失してしまいますので心配いりません。

妊娠4週〜7週までが最も危険な期間です。この時期は胎児の中枢神経、心臓、消化器、四肢などの重要臓器がつくられている時です。したがって、この時期の薬の服用は十分注意が必要であり、飲む場合も必要最小限にとどめることは言うまでもありません。

新生児の先天異常は、かなり多いもので、耳介や母斑などのごく軽度のものを含めると新生児全体の2〜3%ぐらいに見られるという、それらの異常の原因はほとんどの場合不明である。したがって、もしその妊娠中に何等かの薬を服用していると、本当は因果関係がないのに何か異常や奇形があった場合には、薬が原因と見られてしまうことが充分有り得る。こうしたことから、先天異常の発生と妊娠中の薬物使用がまったく偶然に重なってしまう可能性があるからである。こういう事態も考慮すると妊娠中の薬物使用は原則的には避け、必要性がある場合のみ出来るだけ少量を短期間使用するに とどめてください。

Q2
妊娠9か月になりますが、便秘薬を飲んで良いですか?また、浣腸はどうですか?
A
妊娠後期に便秘薬を飲むと早産をする恐れがある場合がありますので、むやみに飲まないでください。どうしても飲まなければならないときには、塩類下剤や生薬、漢方製剤などのうち緩和なものを少量飲むようにして、強い下剤は避けてください。浣腸は妊娠末期に人工的に陣痛を起こしたり、弱い陣痛を強めたりする際に、補助的に実施することから分かるように、強い陣痛催起作用を持っていますので、妊娠後期の浣腸はやむを得ない場合以外は禁忌です。妊娠中は普投便秘のない人でも便秘がちになるし、常習の人は妊娠時は更に酷くなることが多いものです。そのため痔が悪化して苦しむことが少なくありません。妊娠中期以後は催奇形の危険はないが、強い下剤は骨盤内の充血を来たし、薬によっては子宮筋の収縮を起こし、早産を招く危険があります。したがって、妊娠中は繊維分の多い食物や冷たい牛乳を多くとるなど、食事療法を主体にしてください。妊娠初期に下剤を飲むと流産の恐れがありますので薬の使用は避けた方が良いです。

Q3
授乳中ですが、風邪薬を飲んでも大丈夫ですか?また、乗り物酔いの薬を飲んで良いですか?
A
短期間(2〜3日)に少量服用する場合には問題ありません。 しかしながら、やむを得ない場合を除いて、できるだけ飲まない様にしてください。

*授乳中に注意する必要のある薬

アセトアミノフェン、フェナセチン→乳児がメトヘモグロビン血症、腎炎を起こす。
ステロイド剤、レセルピン、バルビツール酸類、クマリン誘導体類、抗性物質(テトラサイクリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、デンタマイシン、スビラマイシン)アントラキノン誘導体(センナ)→乳児が下痢を起こす場合がある。

Q4
妊娠時に薬を服用した場合、その結果の実例はありますか?

(1)催眠・鎮静剤
A
カノコソウエキス、ホップエキス、パッシフローラエキス、チョウトウコウ、西洋サンザシエキス、西洋ヤドリギエキスは、催眠鎮静作用を有します。これらの生薬は以前より使われてきていますが、催奇形作用を示した症例報告も疫学調査もないことから
@妊娠初期に植物系生薬の催眠・鎮静剤を服用したことにより奇形発生の頼度や危険度が上昇したとは考えられないので、心配することはありません。
A植物系生薬の催眠・鎮静剤の服用を理由に妊娠の中断をする必要はありません。
Bしかし、妊娠中は服用を避けるべきです。
Cストレスや不眠は薬を服用する前に原因を取り除く必要があります。症状が改善しない場合には産婦人科に相談してください。

(2)解熱鎮痛剤
A
アスピリン
長期連用した場合に、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、新生児の体重減少等の危険が高くなる恐れがありますので、妊娠中の連用や妊娠後期の服用は避けた方が良いと考えられます。絶対過敏期に23例服用、いずれも健常児を出産。

アセトアミノフェン
古から使われている薬で、妊娠中の使用に関して、先天奇形の因果関係は認められないと疫学調査が報告されています。また、催奇形性を疑う疫学調査は報告されていません。したがって、妊娠中の痛みや発熱に、常用量で短期間(7日程度)であれば使用可能な薬と考えられています。絶対過敏期に6例服用、いずれも健常児を出産。

サリチルアミド
妊娠第1三半期に服用した744例について、先天奇形の発生頻度の上昇は認められないとの報告がされています。

エテンザミド
毒性が少なく、鎮痛作用は比較的強い薬です。人、動物の生殖に及ぼす影響、催奇形性あるいは胎児毒性に関する報告はされていません。絶対過敏期に服用した39例は、いずれも健常児を出産。

アリルイソプロピルアセチル尿素
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した6例は、いずれも健常児を出産

イブプロフェン
奇形発生の危険度が最も高い妊娠初期に服用した22例はいずれも健常児出産

無水カフェイン
奇形発生の危険度の高い妊娠初期に本剤を配合した薬剤を服用した84例は、いずれも健常児を出産。

@以上の事から判断して、妊娠初期に解熱鎮痛剤を服用した事により、奇形発生の頻度や危険度が上昇したとは考えられないので、心配する必要はありません。
A市販の解熱鎮痛剤の服用を理由に妊娠の中断をする必要はありません。
B妊娠末期に継続服用すると、分娩遅延を起こす恐れがあること、妊娠後期の服用で胎児の動脈管の収縮をおこし、胎児の血液循環障害を起こす恐れがあることが指摘されています。また、長期連用した   場合には、母体の貧血、産前産後の出血、難産などの危険が高くなるので、妊娠中に連用及び妊娠後期の服用は避けるべきと考えられています。したがって、妊娠中の服用は、とくに痛みの酷いときにかぎり、それ以外はなるべく避けるようにしてください。

(3)総合感冒薬

リン酸ジヒドロコデイン
ジヒドロコデインについての報告はありませんが、コデインと同じと考えられます。コデインは妊娠初期の服用で、呼吸器・性尿奇形、幽門狭窄、そ径ヘルニアが発生していますが因果関係は確立していません。奇形発生の危険度の高い妊娠初期に服用した55例はいずれも健常児を出産。

マレイン酸クロルフェニラミン
妊娠中に服用しても安全な薬です。
奇形発生の危険度が最も高い絶対過敏期に服用した19例は、いずれも健常児を出産。

ノスカピン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した19例と相対過敏期に服用した1例は、いずれも健常児を出産。

塩酸メチルエフェドリン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した例が26例、絶対過敏期と相対過敏期に渡って服用した例が1例、相対過敏期が2例あり、このうち絶対過敏期に服用した2例に異常がありました。左目の斜視が1例、生後1年たってから発見された重複膣が1例であったが、薬剤との関連は明らかではありません。

キキョウエキス
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した5例は、いずれも健常児を出産。

ケイヒ
奇形発生の危険度の高い絶対過敏期に服用した11例は、いずれも健常児を出産

ショウキョウ
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した17例、相対過敏期に服用した1例は、いずれも健常児を出産。

葛根湯、小青龍湯、桂枝湯、小柴胡湯
安全性が証明されているわけではありませんが、経験的に産婦人科医の間では、風邪薬として妊娠中も使用されることの多い漢方薬です。

@以上のことから判断して、妊娠初期に市販の総合感冒薬を服用したことにより、奇形発生の傾度や危険度が上昇したとは考えられないので、心配することはありません。
A市販の総合感冒薬の服用を理由に、妊娠を中断する必要はありません。
B総合感冒薬に含まれる解熱鎮痛成分は妊娠末期に継続服用すると分娩遅延を起こす恐れがあること、胎児の血液循環を障害する恐れが指摘されているので、妊娠中にいつ服用しても良いという薬ではありません。
Cサリチル酸系の解熱鎮痛剤を長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩の延長、難産などの危険が高くなるので、妊娠中の連用及び妊娠後期の服用は避けたほうがよいと言えます。
Dしたがって、妊娠中の総合感冒薬の服用は、風邪の初期の短期にかぎり、比較的安全なものを使用し、漫然と服用しないようにすることが大切です。

(4)鎮暈剤(乗物酔用薬)

メクリジン
人における催奇形性は認められませんでした。
奇形発生の危険度が高い相対過敏期に2日間服用した1例は奇形等ない健常児を出産。

スコポラミン(ロートエキス)
妊娠中の服用によって催奇形性は認められなかったとの疫学調査があります。一方、妊婦がスコポラミンを非経口的に使用した場合、胎児および新生児に頻脈などの影響がみられる報告があります。スコポラミンは速やかに胎盤を通過します。満期妊婦への投与により胎児に頻脈、心拍細変動の低下、心柏数の抑制を起こした事例があります。スコポラミンを配合したOTC5例、ロートエキスを配合したOTCあるいは医師の処方薬を服用した15例は、いずれも奇形などのない健常児を出産。

フェニラミン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した3例は、いずれも健常児を出産。

@以上のことから判断して、妊娠初期に市販の鏡暈剤を服用したことにより奇形発生の
  頻度や危険度が上昇したとは考えられないので、心配する必要はありません
A市販の鎮暈剤の服用を理由に、妊娠を中断する必要はありません。
B妊娠中の服用は、短期間にかぎり使用してください。

(5)鎮咳去痰剤

グアイフェネシン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した2例は、いずれも奇形などのない健常児を出産。

カルポシステイン
本品による例がないので、類似のエチルシステインの例をみると、絶対過敏期に3日間、絶対過敏期から相対過敏期にかけて13日間、相対過敏期に8日間服用した例がそれぞれ1例ずつあり、いずれも奇形等ない健常時を出産。

リゾチーム
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した21例は、いずれも奇形などのない健常児を出産。

臭化水素酸デキストロメトルファン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に、服用した15例は、いずれも奇形などない健常児を出産。

@市販の鏡咳去たん剤を妊娠中に服用したことにより、奇形発生頻度が必ずしも上昇するとは考えられないので、心配する必要はありません。
Aこれらの薬の服用を理由に、妊娠の中断をする必要ありません。
B咳は流・早産の原因となることがあるので、激しい咳が続くようならば医師の診断を受けてくだきい。
C使用する場合には、とくに心配することはありませんが2〜3日の短期間で、激しい咳の場合に用いて、軽症のときにはなるべく服用しないようにしてください。

(6)鼻炎薬

マレイン酸カルビノキサミン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期にカルビノキサミンを配合の風邪薬を服用した26例のうち1例に心室中隔欠場が認められました。薬との催奇形の因果関係は、明らかではありません。残り25例は、いずれも奇形のない健常児を出産。

塩酸フェニレフリン
奇形発生の危険度の高い絶対過敏期に服用した3例は、いずれも奇形などない健常児を出産。

プロパノールアミン
プロパノ−ルアミンを配合した総合風邪薬を服用した9例は、いずれも奇形などのない健常児を出産。

@以上のことから判断して、妊娠初期に鼻炎薬を服用したことにより、奇形発生の頻度や危険度が   上昇したとは考えられないので、心配することはありません。
A市販の鼻炎薬の服用を理由に、妊娠を中断する必要はありません。
B炎症部位の充血を除く目的で連続服用した場合に、塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノ−ルアミンなどは、子宮血管の収縮をおこし、子宮血液かん流量を減少させ、その結果胎児低酸素血症を引き起こす   可能性があるので、注意が必要です。したがって、妊娠中の連続服用をさけてください。 服用する場合はとくに酷い場合にかぎり、それ以外はなるべくさけてください。

他の治療薬
○鼻炎薬の中で、常用量での1週間程度の使用であれば、妊娠中に使用しても安全と考えられるマレイン酸クロルフェニラミンがあります。
○内服剤を使用するほどでもないようなら、点鼻薬の使用も考えられます。

(7)緩下剤

センノサイド
妊娠前より継続して107日日、90日日、60日日まで服用した例が、それぞれ1例、絶対過敏期に9日間・8日間服用がそれぞれ1例、4日間・3日間が2例ずつ、1日だけが3例、いずれも奇形などない健常児を出産。

ビサコジル
妊娠前より継続して107日目、90日目まで使用した例が、それぞれ1例、絶対過敏期に15日間・11日間・10日間・9日間・8日間・7日間・2日間服用がそれぞれ1例ずつ、1日だけが3例、いずれも奇形などない健常児を出産。

アロエ
胎盤を通じ、胎糞を便出させるので、妊娠後期には使用をさけてくだきい。妊娠全期間中を通じて服用した例が1例、妊娠前より継続して妊娠71日目・60日目まで服用した例がそれぞれ1例ずつ、絶対過敏期に1日だけ服用1例。いずれも奇形などない健常児を出産。

センナ
妊娠期間を通じて服用した3例、妊娠前より継続して妊娠108日目まで服用した例が1例、奇形発生の危険度の高い絶対過敏期に服用した6例は、いずれも奇形などない健常児を出産。

ダイオウ
ダイオウ配合の桃核承気湯エキスを絶対過敏期に3日間、相対過敏期に4日間連続服用した例は、奇形などない健常児を出産。

カンゾウ
奇形発生の危険度の高い絶対過敏期に服用した2例、絶対過敏期と相対過敏期にわたって服用した2例、相対過敏期に服用1例は、いずれも奇形などない健常児を出産。

@以上のことから判断して、妊娠初期に服用したことにより、奇形発生の頻度や危険度が上昇したとは考えられないので、心配する必要はありません。
A緩下剤の服用を理由に、妊娠を中断する必要はありません。
B峻下剤、大腸刺激型の下剤は、大量投与した場合に流産・早産を起こすおそれがあるので、慎重に使用する必要がありますが、一般的使用量、適切な排便管理が行われればこのような危険はまずありません。
C妊娠中は、腸管の運動を促進する神経の変調や増大した子宮による陽の圧迫が起こり、便秘が助長される状態にありますので、規則正しい食事と排便習慣を心掛け食物繊維の多い野菜や果物を十分摂取することが大切です。

(8)胃腸薬

メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した8例と相対過敏期に服用した2例は、いずれも奇形などのない健常児を出産。

アズレン
奇形発生の危険度が高い絶対過敏期の16例、絶対過敏期と相対過敏期にわたって服用した4例、妊娠中に継続して服用が1例、いずれも奇形などない健常児を出産。

リパ−ゼ
奇形発生に危険度の高い、絶対過敏期に服用した2例(5日間と2日間)、相対過敏期に1例(6日間)、いずれも奇形などない健常児を出産。

アルジオキサ
奇形の発生の危険度が高い絶対過敏期に服用した11例(20日間、19日間、11日間、10日間、3日間、2日間、1日がそれぞれ1例、7日間、4日間のそれぞれ2例)、絶対過敏期から相対過敏期にわたって2日間服用が1例、いずれも奇形などない健常児を出産。

臭化メチルベナクチジュウム
奇形の発生の危険度の高い絶対過敏期に3日間と1日の服用1例ずづ、相対過敏期に5日間服用した1例は、いずれも奇形などない健常児を出産。

ニンジン
絶対過敏期に服用した2例(17日間と8日間)は、いずれも奇形などない健常児を出産。

オウバク
絶対過敏期に服用した4例(1日だけ)は、いずれも奇形などない健常児を出産。

オウレン
絶対過敏期に服用した3例(2日間が1例、1日が2例)は、いずれも奇形などない健常児を出産。

ゲンチアナ
絶対過敏期に服用した7例(4日間、3日間が1例、2日間が3例、1日が2例)は、
いずれも奇形などない健常児を出産。

@以上のことから判断して、妊娠初期に服用したことにより、奇形発生の頻度や危険度が上昇したとは考えられないので、心配する必要はありません
A胃腸薬の服用を理由に、妊娠を中断する必要はありません。

(4)子供の服用について

Q1
子供が薬を飲まなくて困ります。うまく飲ませる方法は、ありませんか?


Q2
虫よけを使いたいのですが、赤ちやんに使っても大丈夫ですか?


Q3
大人用の虫さされの薬を赤ちやんに塗っても良いですか?


Q4
生後2か月の乳児か38度の熱を出しました。医者に診せた方か良いですか?


Q5
5歳の子供が医者から風邪で坐薬をもらって使用していましたが、1時間経っても熱が
下りません。
もう一度使用して良いですか?それかだめなら他の風邪薬を飲せても
良いですか?


Q6
子供に大人用の目薬を使用しても良いですか?


Q7
子供に大人の薬を飲ませても良いですか?


Q1
子供が薬を飲まなくて困ります。うまく飲ませる方法は、ありませんか?
A
乳幼児に薬を飲ませるときには次のことに気をつけてください。
@ミルクや離乳食などの主食に混ぜることは避けてください。
A水やジュースに薬を溶かすときには、出来るだけ少量に溶かしてください。あまり多いと飲み残しがでてしまい、治療に必要な薬用量をとることができません。
Bアイスクリームが大好きなお子様でしたら薬をアイスクリームに混ぜて与えてみてください。大好きなアイスクリームで子供の気を引き、冷たい舌ざわりが薬本来の味を消してくれます。

以上のことは、服薬の意味の分からない小さな子供の場合です。小学生になっていたら、「なぜ?」「どうして」薬を飲まなければいけないかを十分理解させて飲ませてください。

薬を飲まないからとだまして飲ませてしまおうと、
@ミルクに混ぜると、ミルクの味が変わってしまい、その結果ミルク嫌いになってしまう恐れがあります。
A食後と指示があったからと、ミルクや食事の後で、薬を与えることがありますが、小さなお復は、すぐ満腹になってしまいますので、飲ませるのは困難です。
B苦いからと、多量の水や白湯に溶かして飲ませる場合がありますが、たまたま喉が渇いていれば好都合ですが、いつもそうとは限りませんので、全部を飲めるものではありません。

このように、良かれと思ってしたことが案外「手際良い服用」や「効果的な薬物治療」の妨げになっている場合があります。

Q2
虫よけを使いたいのですが、赤ちゃんに使っても大丈夫ですか?
A
虫よけ剤自体は毒性の低いものなので、赤ちゃんが使っても構いませんが、虫に刺されそうなときだけ使うようにしてください。一か所に長く(2.5秒以上)かけてはいけません。また、顔にはかけないようにしてください。

Q3
大人用の虫さされの薬を赤ちゃんに塗っても良いですか?
A
虫さされの薬には、赤ちゃんに塗っても大丈夫なものと、使わない方が良いものがあります。アンモニア水を使うときは、必ず薄めてご使用ください。原液のままつけると、局所の壊死を起こす場合があります。カンフルなどの刺激の強い成分が入った虫さされの薬は、皮膚の弱い赤ちゃんではかぶれることがあります。

Q4
生後2か月の乳児が38度の熱を出しました。医者に診せた方が良いですか?
A
発熱だけでなく、呼吸困難、意識障害、痙攣、嘔吐、腹痛、下痢などの症状をともなうときは、早く医者にかかってください。子供は、大人より体温が高いものですが生後6か月位までは、普通38度も熱をださないので、この場合は医師にかかった方が良いでしょう。他はなんともなくて、熱だけが一寸あるという場合は、水分を十分与えて様子を見てください(小児用シロップ剤の使用は3ケ月から)。発熱が3〜4日続く場合には、医師にかかってください。

Q5
5歳の子供が医者から風邪で坐薬をもらって使用しましたが、1時間経っても熱が下りません。もう一度使用して良いですか?それがだめなら他の風邪薬を飲ませても良いですか?
A
薬が効きはじめるまでには、服用あるいは使用後、少なくても1〜2時間はかかるものです。その中でも坐薬は効果の発現の早い剤型といわれておりますが、それでも1時間ぐらいはかかる場合がありますし、子供の体質や体格によっても大きく影響を受けるものです。もうしばらく様子を見てくださいも そろそろ効き始める頃です。

どうしても熟が下がらない場合には、さらに坐薬を使うことになりますが、その場合には数時間、できれば6時間くらい間をあけてください。坐薬を上手に使うには、排便後使うようにしてください。挿入時の刺激で便意を催すことがあります。

風邪薬を飲ませることは禁物です。内容によっては過剰技与になり、低体温などが現れる場合があり危険です。どうしても熱が下がらない場合には、医師に相談してください。

Q6子供に大人用の目薬を使用しても良いですか?
A
子どもの目も、大人の目もそのしくみに違いがありませんので、大人用の目薬を子どもにつけてもかまいません。

しかし、大人用の目薬にはつけたときにすっきりした感じを与えるためにスーツとする成分が入っているものがあります。大人にはすっきりした感じを与えるのですが、子どもにとっては「しみる」と感じるかもしれませんので注意してください。できれば刺激になる成分の入っていないものの方が無難です。また、白目が赤く充血した状態には、充血をとる成分の入った目薬をさせば確かにとれますが、一時的ですので原因を治療してください。

Q7
子供に大人の薬を飲ませても良いですか?
A
発育途中の子どもは、身体、諸臓器が未発達であるため、代謝、排泄、解毒機能が未熟であるので、いくら体格が良くても大人の量を飲ませるのはいけません。基本的には小児用量の記載されている薬を飲ませるようにしてください。
○止むを得ず、大人の薬を飲ませる場合には、次のことを確認した上で下記の表を参考にして下さい。

@年齢、体重
A過去に、同じ様な薬を飲んだ事があるか?その時異常はなかったか?
B過去に、薬を飲んで発疹などの副作用を起こしたことがあるか?
Cアレルギー体質であるかどうか?

ハールナークの小児用量
年齢 15歳以上 14〜12歳 11〜7歳 6〜3才 2〜1才 12か月〜
5か月
新生児
投与量比 1 2/3 1/2 1/3 1/4 1/5 1/8

カプセル剤、錠剤などは幼少児では、そのまま飲み込むことが困難な場合があり、喉につかえてしまう時がありますので、下記の事に注意して下さい。
@直径6mmを越えるカプセル、錠剤→5歳末満の乳幼児に服用させない事。
A直径6mm以下の錠剤の場合→3歳末偶の乳幼児に服用させないで下さい。3歳以上でも、喉もつかえないように注意してください。
Bカプセル、錠剤以外の製剤の場合→生後3か月末満の乳児には服用させないでください。また、生後3か月以上あっても1歳末満の乳児には、やむを得ない場合のほかは服用させないでください。シロップ剤も生後6か月位までは服川が凶難な場合が多いと言えます。1歳末満の乳児の病気は、保護者の判断では難しいので医師の診察を受けてください。

(5)中毒(誤飲、誤用)について

「応急処置」

Q1
子どもが浣腸を全部(30g)飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?

Q2
2才の子どもが蚊取りマットを1枚食べてしまいましたか、大丈夫ですか?

Q3
2才の子どもかホウ酸タンゴを半分食べてしまったようですか、大丈夫ですか?

Q4
乾燥剤(シリカゲル)を子どもが飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?

Q5
入れ歯の洗浄剤を間違えて飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?

Q6
体温計を使用中誤って破損し、少し水銀を飲み込んでしまいましたが、大丈夫ですか?

Q7
灯油を誤って飲んでしまいました、どうしたら良いですか?

Q8
トイレにうじ殺し剤を散布中、口にかかり、驚いて少し飲み込んでしまいました。
大量のお茶を飲みました。しかしまだ少し気分か悪いのですが体に影響はないですか?

Q9
殺虫剤が身体にかかってしまいました。どうしたら良いですか?

Q10
くすり(飲み薬)を誤って多く飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?


(5)中毒(誤飲、誤用)について−応急処置−
次に該当する場合は、家庭での応急処置を避け、早急に医療機関へ搬送して下さい。

1)痙攣がある場合、また意識障害がある場合。
2)ガソリン、灯油などの揮発性物質を飲んでいる場合。
3)強酸、強アルカリなど腐食性物質を飲んでいる場合(誤飲後30分以内であれば緩和剤、
  希釈剤の効果が期待できるケースもあります。)

1.口から入ったとき
(1)固型物がのどにつまった場合。
@指で取り除く。
A背中を叩いて取り除く。
B胸や腹を圧迫して取り除く。
  その他に、足をもって逆さまにしたり、掃除機で吸い取る方法もあります。
(2)飲み込んでしまった場合。
@催吐:飲んで3時間以内で、いまだ胃の中に事物が止まっているときに行ないます。指またはスプーンの柄で舌のつけ根のなるべく奥の方を刺激して吐かせます。また、多量の水または微温湯を飲ませると吐きやすくなります。
A緩和剤の投与:できるだけ多量のミルクを飲ませます。(乳幼児には暖めたミルクがよい。)
B希釈:多量の水や濃いお茶を飲ませます。できればその後吐かせます。
(注意)
@吐かしてはいけない例
6か月以下の乳児では、嘔吐反射が十分発達していないので、吐かせたものが喉に詰って窒息したり、気通が傷ついたりします。
痙攣、昏睡、意識障害のある場合には、窒息、誤嚥の恐れがあります。
酸、アルカリなどの腐食物質を誤飲した場合。
揮発性物質(ガソリン、石油など)およびこれらが樟脳、殺虫剤、金属などの溶媒として使用されている場合。
  (吸入して、肺炎を起こしたり、中枢神経の抑制を増強させてしまいます。)
鋭利な固形物を飲んでいる場合。

A牛乳を飲ませてはいけない例
次の様なものを誤放した時は、牛乳を飲ませると牛乳の油分に養成分が溶けて吸収されやすくなるため、牛乳を飲ませてはいけません。
・ナフタリン、樟脳、バラジタロルベンゼンなどを成分とする防虫剤。
・灯油、ベンジン、ガソリンなどの揮発性物質。

B牛乳を飲ませた方が良い例
次の様なものを誤欲した時は、胃を刺激から守るため水よりも牛乳を飲ませてください。
・漂白剤、乾燥剤。
・強酸剤又は強アルカリ性のトイレ用、家庭用の洗剤。(但し、飲ませるだけで吐させなで下さい。)

家庭で出来る応急処置はこれ位で、その後は病院などへ連れて行き適切な処置をしてもらいます。そのとき大切なことは「なにを、どれだけ」飲んだかということを医者に知らせることです。そのために、誤飲した時には、それが入っていた容器や説明書などを一緒に持っていくと良いでしょう。

(病院で行う応急処置)
胃洗浄------> 飲んだ後2〜4時間であれば、胃洗浄で毒物の除去可能。
吸着・沈殿---> 活性炭などの吸着、沈殿剤を用いて毒物を吸着、沈殿させる事によって、体内への吸収を抑制します。
解毒剤・桔杭剤の投与など

2.気道から入ったとき
@汚染された場所から新鮮な空気のある場所に移し、衣類をゆるめて下さい。
A呼吸抑制がみられたら、直接法で人工呼吸を行います。(1分間に20回程度)
B必要であれば、毛布などで包み保温して下さい。

3.皮膚・粘膜についたとき
@衣類をはぎ取って下さい。衣類を取るとき、流水を掛けながら行って下さい。
Aホース、シャワーで少なくとも15分間は水洗して下さい。
B化学的解毒剤(油脂、重曹など)は使用しないで下さい。

4.目に入ったとき
@目を開き、5〜15分間多量の微温湯または流水で洗います 目が開けられない場合は、水を満たした容器に頭から入れて、水の中で目を開けて下さい。
A化学的解毒剤は使用しないで下さい。

Q1
子どもが浣腸を全部(30g)飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?
A
様子はどうですか?
(1)普投と変わらないときまず、心配ないと思います。
ほとんどの浣腸液は、グリセリン、それに塩化ペンザルコニウムがグルコン酸クロルヘキシジンなどを添加したもので、成分また量的にみて、間違えて飲んでも特に大事に至るようなことはない思いますが、もし何か様子が変わったら、必ずすぐ医師に相談してください。
(2)様子がおかしい、皮膚に発疹が出ている、痒みを訴えているときすぐに医師の診察を受けてください。
Q2
2才の子どもが蚊取リマットを1枚食べてしまいましたが、大丈夫ですか?
A
中毒の心配はまずありません。
蚊取りマットに含まれている殺虫成分はアレスリンやペルメトリンという化合物ですが、これらの化合物のヒトに対する毒性は非常に低く、中毒を起こす量の目安は体重5kgの乳児で150枚ぐらいで、30枚以下では、通常まったく健康状態に影響しないと言われています。大量に食べてしまった場合には、大量の水を飲ませて吐かせてください。
(参考)
@非常にまれだとは思いますが、過敏症の人がいる可能性がありますので、めまい、くしゃみ、鼻炎、発赤、発疹、喘息などの症状がみられる場合には医師に相談してください。
A蚊取マット・蚊取り線香の中毒量および安全域

蚊取りマット 中毒量 安全域 蚊取り線香 中毒量
乳児(5kg) 約150枚 30枚以下 乳児(5kg) 約2巻
幼児(10kg) 約300枚 60枚以下 幼児(10kg) 約3.5巻
成人 240〜360枚 成人 15〜20巻
(急性中毒情報ファイル,広川書店)

Q3
2才の子どもがホウ酸ダンゴを半分食べてしまったようですが、大丈夫ですか?
A
水か牛乳を飲ませて様子をみてください。腹痛などの異常を訴えるようなら、すぐ医師の診察を受けてください。

(参考)
ホウ酸のヒトでの推定致死量は大人で約15〜20g、幼児で5〜6g、乳児で2〜3gと言われており(急性中寺情報ファイル、広川書店)、家庭内にある物質としては、かなり毒性の強いものの部類に属します。ダンゴ内のホウ酸の量は非常にバラツキ(5〜50%)が多く、誤食したホウ酸の量を評価するのは非常に困難です。ホウ酸タンゴを10kgの乳児が1g食べてしまったときには、医師の診察を受けたほうがよいでしょう。また、量にかかわらず腹痛を訴えるもの、下痢をする場合には直ぐ医師の診察を受けるべきです。中毒症状としては、急性胃腸炎、皮膚発疹、血圧低下、ショック、けいれんなどがあらわれます。

Q4
乾燥剤(シリカゲル)を子どもが飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?
A
ほとんど無害ですので心配はいりません。(成人経口致死量15g/kg以上)しかし、吸湿性の目安として5〜10%の塩化コバルトをしみこませたシリカゲル(青ゲル→青かピンクの粒)が混じっています。この塩化コバルトは毒性がかなり強いものですが、一般のシリカゲルに含まれている量は少量ですので、食品や薬の中に入っている小袋位なら心配いりません。いずれにしても他の塩化カルシウム(ラット最少致死量4g/kg)の場合にも食べても殆ど害はありませんが場合により大量の水を飲ませ吐かせて下さい。

(参考)
生石灰(ヒト致死量30g)は水を飲むと発熱をするので、火傷をすることがあります。誤って食べた場合には、口の中を良くすすいで、口の中に残っている物を出し水、牛乳、卵白、うすい塩酢などを大量に飲ませてください。目に入ると失明の危険がありますので、すぐ大量の水で洗って眼科医の治療を受けてください。

Q5
入れ歯の洗浄剤を間違えて飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?
A
1〜2錠飲んだ程度であればまったく心配ありません。水か牛乳を飲んで、様子をみてください。但し、発泡がすごいため、それによって食道などに傷でもできているといけませんので、痛みがあるときには念の為医師の治療を受けてください。

Q6
体温計を使用中誤って破損し、少し水銀を飲み込んでしまいましたが、大丈夫ですか?
A
体温計に使われている水銀は、金属水銀といいます。これは胃液や体液には溶けないので、誤食してもほとんど吸収されず、2〜3日後には便中に排泄されてしまいます。このため体温計に使われているくらいの少量(体温計1本中0.5〜1.2g)の誤食であればまず心配ありません。 しかし、気になるようでしたら吐かせてください。

体温計による事故で注意が必要なのは、水銀の誤食よりも、むしろ体温計による口腔粘膜の損傷と、こぼれた水銀の蒸気を吸入することです。金属水銀は、蒸気となって吸入されると肺から吸収され、呼吸困難、頭痛、腎障害、嘔吐、下痢などを起こすことがあります。こぼれた水銀は密封できる容器に集めておいてください。また金属水銀は、皮膚から吸収されることもあるので、集める際には直接手で触れず、スポイトなどで吸い取るようにしてください。

(参考)
金属水銀は、1.5kgの経口摂取でさえ害がないと言われています。しかし、多量に飲んだときには便秘などの要因があると、腸管内に長くとどまるため、一部が腸内細菌によって酸化され、無機質水銀となり吸収されることもあります。また、消化管に傷や潰瘍があると、体内吸収される可能性があるので注意が必要です。特に小児の場合には医師に相談される方が無難です。

Q7
灯油を誤って飲んでしまいました、どうしたら良いですか?
A
応急処置として水(牛乳は不可)を飲ませ、至急医師の治療を受けてください。
この際、吐かせないように注意することが大切です。これは、吐く時に灯油が気遣に吸入されると吸入性肺炎を起こすためで、これが起きると、わずか数mlでも重篤になります。灯油を誤飲すると、嘔吐、腹痛こ 消化管粘膜のびらん、咳嚇、胸部苦悶、吸入性肺炎、昏睡、けいれん、ショックなどの中毒症状をあらわします。灯油の推定数死量は、90〜120ml位ですが1リットルを飲んで回復した例がある一方、30mlで死亡した例もあります。また吸入による毒性が、径口による毒性の50倍位あります。

Q8
トイレにうじ殺し剤を散布中、口にかかり、驚いて少し飲み込んでしまいました。大量のお茶を飲みました。しかしまだ少し気分が悪いのですが体に影響はないですか?

A
飲んだ量が少量で、処置も正しいのでまず心配はないと思います。ただ、気分が悪いということですので、やはり医師の診察を受けたほうがよろしいと思います。多量に飲んでしまった場合には、水を飲ませ、直ぐに医師の診察を受けてください。

Q9
殺虫剤が身体にかかってしまいました、どうしたら良いですか?
A
水で洗い流した後、洗剤で身体を良く洗い、その後再び水で良く洗い流してください。発疹などが出てきた時には、皮膚科の医師の診察を受けてください。

Q10
くすり(飲み薬)を誤って多く飲んでしまいましたが、大丈夫ですか?
A
まず最初に確認することとしては、
@薬の名前、何時、どの位の量を飲んだのか?
A年齢、性別、体重を確認する。
B現在の状態はどうか?


(1)様子がおかしいとき
ぐったりして元気がない、嘔吐している、意識障害があるなど異常がみられる場合には、すぐ医師の診察を受けてください。

(2)普段と変わらないとき
多量の水、牛乳(乳・幼児には暖めた牛乳)、濃いお茶を多量に飲ませ吐かせる。吐かない場合には、多量の水などを飲ませて希釈し体外への排泄を促進させ、様子を見てください。

*服用後2〜3時間経過しても変わらないようであれば心配いりません。
*元気がなく、ぐったりしてきたり、身体に変化(嘔吐、意識障害、発疹、けいれん、呼吸、脈拍、腹痛など)がみられる場合には、直ぐ医師の診察を受けてください。

(注意)
風邪薬、せき止め、解熱鎮痛剤、乗り物酔い止めの薬、抗ヒスタミン剤、鎮静剤は、眠くなる成分が入っていますので、眠ってしまう場合があります。この際は、呼吸数・呼吸の仕方や脈拍数が普段と変わりがないかを良く観察してください。

*変化がなければ、そのまま様子を見ていてください。
*変化がみられる場合には、直ぐ医師の診察を受けてください。

(6)相互作用について

Q1
風邪薬を飲んでいますが、頭痛がとれません。鎮痛剤を飲んで良いですか?

Q2
風邪薬を飲んで風邪の症状は改善していますが、咳が止まらないことかあります、
咳止めの薬を併用しても良いですか?


Q3
高血圧の治療を受けていますか風邪薬を併用しても良いですか?


Q4
薬局で販売している(一般薬)を併用したいのですか、併用しては
いけない組み合わせには、どういうものがありますか?


Q5
心臓の薬を飲んでいます、風邪薬を飲みたいのですが何が良いですか?


Q6
経口糖尿病の薬を服用していますか、一般用の解熱鎮痛剤を同時に服用しても
大丈夫ですか?


Q7
緑内障ですが、風邪薬の能書には緑内障の人は眼圧か上がるので
飲まないようにと書いてあります。何か良い薬はないですか?


Q1
風邪薬を飲んでいますが、頭痛がとれません。鎮痛剤を飲んで良いですか?
A
風邪薬の中には解熱鎮痛剤、鎮咳去痰剤、抗ヒスタミン剤などが配合されていて、風邪薬と解熱鎮痛剤を同時に服用しますと、成分が重なりますので、過量投与による副作用が出る場合があります。絶対服用しないでください。2〜3日風邪薬を服用しても頭痛が治まらないのでしたら、風邪の頭痛ではない可能性もありますので、医師に原因を調べていただいた方が良いと思います。

Q2
風邪薬を飲んで風邪の症状は改善していますが、咳が止まらないことがあります。咳止めの薬を併用しても良いですか?
A
ほとんどの風邪薬には鎮咳去痰薬がすでに配合されていますので、鎮咳去痰薬を飲みますと成分が重複してしまいます。熱や鼻水の症状がなく、咳だけが強いときには風邪薬を中止して、せき止めの薬だけにしてみてください。それで、2〜3日でまだ治らないようでしたら単なる風邪ではないこともありますので、医師の診断治療を受けてください。

Q3
高血圧の治療を受けていますが風邪薬を併用しても良いですか?
A
風邪薬、咳止め、鼻炎薬には心臓に影響を与える成分、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸メチルエフェドリン、マオウ、塩酸フェニレフリン、グリチルリチン(甘辛)塩酸エフェドリンなどが配合されているものがありますので、その様な成分の入っていない薬をお選びください。

Q4
薬局で販売している(一般薬)を併用したいのですが、併用してはいけない組み合わせには、どういうものがありますか?
A
総合感冒築(風邪薬)
他の風邪薬、解熱鎮痛剤、鎮咳去痰剤(せき止め)、抗ヒスタミン剤、鼻炎薬、乗り物酔用薬、鎮静剤などがあります。これらの薬には、類似した薬理作用を有する成分やすでに風邪薬に配合されている成分を含んでいる場合が多くみられますので、同時に薬を飲みますと成分が重複して、過量服用になり、思わぬ副作用が現れる場合がありますので、これを防ぐために同時服用は、さけてください。

解熱鎮痛剤
他の解熱鎮痛剤、総合感冒薬、鎮静剤、乗り物酔用薬などがあります。これらの薬には、類似した薬理作用を有する成分や重複した成分を含んでいることが多く、過量服用による思わぬ副作用が現れる場合がありますので、これを防ぐため、同時服用はさけてください。

鎮咳去痰剤
他の鎮咳去痰剤、総合感冒薬、杭ヒスタミン剤、鎮静剤、乗り物酔用薬などがあります。これらの薬は、類似した薬埋作用を有する成分や重複した成分を含んでいることが多く、過量服用による思わぬ副作用が現れる場合がありますので、これを防ぐため、同時服用はさけてください。

乗り物酔用薬
他の乗り物酔用薬、総合感冒薬、解熱鎮痛剤、鎮咳去痰剤、鎮静剤、坑ヒスタミン剤、胃腸鎮痛鎮痙薬などがあります。これらの薬は、類似した薬理作用を有する成分や重複した成分を含んでいることが多く、過量服用による思わぬ副作用が現れる場合がありますので、これを防ぐため、同時服用はさけてください。

鎮静剤
他の鎮静剤、解熱鎮痛剤、総合感冒薬、抗ヒスタミン剤、乗り物酔用薬などは、類似した薬理作用を有する成分、又は、重複する成分を含んでいることが多く、過量服用による思わぬ副作用を防ぐため、これらの薬の同時服用はさけてください。

内服の鼻炎薬
他の鼻炎薬、抗ヒスタミン剤、総合感冒薬などは、類似した薬理作用を有する成分や重複する成分を含んでいることが多く、過量服用による思わぬ副作用を防ぐため、これらの薬の同時服用はさけてください。

胃腸薬
胃腸鎮痛鎮痙薬、止瀉薬とは同時に服用しないでください。胃腸鎮痛鎮痙薬や止潟薬には、ロートエキスやそれと類似した作用を持つ成分(副交感神経遮断薬)を含んだ製品が多く、副交感神経遮断薬の過量服用による副作用を防ぐため、同時服用はさけてください。

胃腸鎮痛鎮痙薬
他の胃腸鎮痛鎮痙薬、胃腸薬、止瀉薬などには、副交感神経遮断薬か、あるいはそれに類似した作用をもつロートエキスが含まれており、過量服用による副作用を防ぐため、これらの薬との同時服用はさけてください。

止瀉薬
胃腸鎮痛鎮痙薬、胃腸薬には、ロートエキスやそれに類似した作用を現す副交感神経遮断薬を配合している製品が多く、過量服用による副作用を防ぐために同時服用はきけてください。

瀉下薬
他の瀉下薬とは、同時服用しないでください。 同じ作用をもっている薬との過量服用をさけるための注意です。

ケースや添付文書に記載されている成分及びその成分の薬理作用をチェックして、成分が重複しているか、類似の作用を有する成分があるかを確認してください。やむを得ず、服用する場合には2〜4時間あけてください。

Q5
心臓の薬を飲んでいます、風邪薬を飲みたいのですが何が良いですか?心臓に関係する病気を持っている人が風邪薬を選ぶときに最低限注意をしなければならないことは、

@心臓に何等かの影響を及ぽす次の成分を配合している製品は選ばない。
塩酸トリノトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸メチルエフェドリン、エフェドリン、臭化メチルベ ナクチジウム、臭化水素酸スコポラミン、(イブプロフェン)、マオウ等。又、大量に飲んだ場合のグリチルリチン、カフェイン、。
A現在飲んでいる薬と相互に影響し合うような成分を含むものは選ばない。

ということです。ただ、心臓の病気の種類、その程度、現在服用している薬などがわかりませんので、主治医の先生に相談してください。

Q6
経口糖尿病の薬を服用していますが、一般用の解熱鎮痛剤を同時に服用しても大丈夫ですか?

A
糖尿病でうまく血液中の糖の濃度がコントロールできていない場合などには、いろいろの病気を併発する場合があります。まず、主治医のところで、その発熱の原因を調べていただくのが第一です。安易に一般用の薬を使うのはさけてください。一般用の解熱鎮痛剤や風邪薬の中には経口糖尿病治療薬の血糖降下作用を強めて、低血糖を起こしてしまう可能性のある成分、アスピリン、サリチルアミド、エテンザミドなどを含有する製品があります。
(参考)
アスピリン、サリチルアミドなどのサリチル酸系薬物は、血漿蛋白との結合において経口血糖降下剤と競合して経口血糖降下剤の血中濃度を上昇させ、血糖値をさげるだけでなく、直接血糖値を低下させる作用を持っており、その血糖降下剤との併用により、致死的な低血糖昏睡を誘発する可能性があります。医師の監視下以外の併用は絶対さけるべきです。交感神経興奮剤(塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン)は、肝臓のグリコーゲンを分解して血糖を上昇させる作用がありますので注意が必要です。

Q7
緑内障ですが、風邪薬の能書には緑内障の人は眼圧が上がるので飲まないようにと書いてあります。何か良い薬はないですか?

A
緑内障に悪い影響を与える成分として、抗ヒスタミン薬、エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェインなどがあります。これらの成分を含まない風邪薬は、現実的には見つからないと考えた方が良いでしょう。何故からば風邪薬は一般にたくさんの症状に効くようにいろいろな成分を配合しています。したがって、風邪の主症状が発熱だけであれば、解熱鎮痛剤を服用すると良いでしょう。もちろん、3〜4日服用しても熱が下がらないとき、また、目に何らかの異常が感じられるときには直ぐに薬の服用を中止して、眼科医または内科医の診察を受けてください。

(参考)
上記以外に緑内障に悪い影響を与える、-般薬に配合されている成分。

抗ヒスタミン薬 鎮痙薬
ジフェンヒドラミンの塩類、塩酸ジフェニルピラリン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸プロメタジン、塩酸メクリジンほか。 臭化メチルベナクチジウム、臭化水素酸スコポラミン、臭化プチルスコポラミン、ロートエキス、臭化チメピジウムほか。
眼科用剤(外用) 消化性潰瘍用剤
硫酸アトロビン、臭化水素酸ホマトロビン、硫酸ナファゾリン、フイゾスチグミンの塩類など。 臭化メチルベナクチジウム、臭化プロパンテリンなどを配合する薬剤。

(7)副作用について

Q1
貧血で鉄剤を服用していますが、便が黒くなり、食欲も落ちています。毎日服用していて
大丈夫ですか?


Q2
ビタミンB2の入った保健薬を朝、夕に服用していますか、尿が黄色くなりました。
副作用ですか?


Q3
ステロイドの軟膏を連用していますが、副作用の心配はないですか?


Q4
胃薬を飲むと、のどが渇くことかありますか?


Q5
風邪薬を飲むと眠くなったり、喉か渇くのはなぜですか?

Q6
風邪薬を飲むと胃か悪くなったりするのはなぜですか?


Q7
手指の関節か痛いのでインドメタシンの外用薬を使用していますが、痒みがでました。
このまま続けて使用しても良いですか?


Q8
ビタミンE剤をのむと生理が早くなったり、経血量か多くなったりする場合かありますが、
なぜですか?


Q9
風邪薬を飲んだ場合に考えられる副作用には、どの様なものがありますか?

Q10
解熱鎮痛剤の副作用には、どの様なものがありますか?

Q11
鎮核去痰剤の副作用には、どの様なものがありますか?


Q12
胃腸薬の副作用には、どの様なものがありますか?


Q13
乗り物酔の薬の副作用には、どの様なものかありますか?


Q14
目薬の副作用には、どの様なものかありますか?


Q15
内服の鼻炎薬の副作用には、どの様なものかありますか?


Q16
眠けを取る薬の副作用には、どの様なものかありますか?


Q17
カルシウム剤の副作用には、どの様なものがありますか?


Q1
貧血で鉄剤を服用していますが、便が黒くなり、食欲も落ちています。毎日服用していて大丈夫ですか?
A
鉄剤の副作用としては食欲不振が現れることがありますので、もし食欲不振が酷いようでしたら、服用量を減らし様子を見ます。また、鉄剤を服用すると便が黒く変わることがありますが、これは便に含まれる色素と鉄が結合する事により黒くなるもので、問題はありません。ただし、消化管からの出血によっても便が黒くなることがありますので、鉄剤を止めても変わらないようであれば、ただちに主治医に相談してください。(尚、鋼クロロフインNaを配合した薬剤では、便が暗緑色になることが有ります。)

Q2
ビタミンB2の入った保健薬を朝、タに服用していますが、尿が黄色くなりました副作用ですか?
A
この薬に配合されているリボフラビンはビタミンB2として生体内で利用されますが、その量は成人で1日約1.2〜1.6mgといわれており、それ以上接収しても尿中などに排泄されてしまいます。リボフラビンそのものが黄色い物質で、尿が黄色に着色したのもそのためだと思われます。このことが特に問題となることはありません。したがって、副作用ではありませんのでご心配はいりません。
(参考)
尿を着色する可能性ある薬剤

医薬品名 尿の色調 医薬品名 尿の色調
クレオソート 暗緑色 メチルドパ 尿放置、黒変
サントニン 黄褐色〜赤色 フェノバリン 赤色
センナ製剤 〃  〃 ビタミンB2 黄色
チベビジン 赤色 ビタミンBl ビタミン臭

Q3
ステロイドの軟膏を連用していますが、副作用の心配はないですか?
A
副作用として、発疹・発赤、腫脹、痒み、酒さ様皮皮膚炎、免疫抑制作用があるので感染症による皮膚炎などが現れる場合がありますので、漫然と長期間(2週間程度)使用することは、さけてください。 尚、ステロイド剤を使用する時の注意事項は18頁を参照してください。

Q4
胃薬を飲むと、のどが渇くことがありますか?
A
胃薬の中には、胃酸の分秘を抑えるなどの目的で、抗コリン剤と呼ばれるものが配合されているものがあります。この薬は、胃酸の分秘を抑えるだけでなく、唾液の分秘を抑えることがあるため、この抗コリン剤を含む薬では、のどが渇くことがあります。しかし、こののどが渇くという症状は、心配する心要はありません。薬がちゃんと作用しているしるしだとお考えください。気になるときには、チューインガムやキャンデイーで口を潤してみてください。(胃腸薬に配合されているのどの渇きを起こす成分)ロ−トエキス、臭化メチルベナクチジウムなど副交感紳経遮断薬。

Q5
風邪薬を飲むと眠くなったり、喉が渇くのはなぜですか?
A
風邪薬には、解熱鎮痛、鎮咳去痰、抗ヒスタミンの各作用を持つ成分が、ほぼ共通して入っています。眠くなったり、喉が乾いたりするのは、抗ヒスタミン剤によるものです。鼻水や鼻詰りを抑える作用があり、鼻炎用風邪薬の中心となる成分です。眠気を感じるのは、この抗ヒスタミン剤の副作用です。仕事を休めない人が眠くなりすぎては困るので、同時にカフェインを入れていますが、人によっては、眠気を強く感じることがあります。又、抗ヒスタミン剤には、抗コリン作用があり、胃液や唾液の分泌を抑えるように作用します、のどが渇くのは、このせいです。また、抗コリン作用によって胃腸の働きもゆっくりになり便秘になることもあります。又尿の出が悪くなったり、光をまぶしく感じるような副作用が現れることもあります。

のどの渇きや眠気を同時に解消しようと、コーヒーや紅茶を何杯も飲む人がいますが、風邪薬にはカフェインが入っていますので、今度はカフェインの取り過ぎで、頭痛という副作用が起こることもあります。日頃からコーヒーや紅茶を良く飲む人は気をつけてください。

Q6
風邪薬を飲むと胃が悪くなったりするのはなぜですか?
A
解熱鎮痛成分などによるものと思われます。 食直後に服用するようにしてください。胃の弱い方は、胃薬と併用することにより、胃に対する負担が軽くなり、胃の痛みや吐き気などが解消される場合があります。

非ステロイド性消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンの生成を抑制し痛みを止める作用があります。このプロスタグランジンは胃の粘膜を保護する作用がありますので、プロスタグランジンの生成が鎮痛剤により抑えられ少なくなりますと、どうしても胃に対して負担が重くなり、障害を起こす事があります。

Q7
手指の関節が痛いのでインドメタシンの外用薬を使用していますが、痒みがでました。このまま続けて使用しても良いですか?
A
インドメタシン外用薬の使用上の注意には過敏症状である発赤、痒み、発疹などの症状が現れることがある旨の記載があります。したがって、過敏症状が出る可能性がありますので止めた方が賢明です。もし、痒みなどの症状が強く現れている場合には、皮膚科などの専門医師に相談してください。

Q8
ビタミンE剤をのむと生理が早くなったり、経血量が多くなったりする場合がありますが、なぜですか?
A
ビタミンEは下垂体や副腎系に作用してホルモンの分秘を賦活・調整する作用が知られています。医療用医薬品では「妊娠機能障害」が効能として認められております。この作用の現れとして、時に生理が予定より早くきたり、経血量が多くなったりすることがあります。また、更年期の女性では一応閉経した後でも、ビタミンEの服用により、再び生理が始まったケースもあります。これらの現象は病的なものではなく、しかも一時的なものですから、服用を続けても差支えありませんが、出血が長く続く場合、偶然が重なった他の原因による性器出血などが考えられますので、医師に相談し、指示を受けてください。

Q9

風邪薬を飲んだ場合に考えられる副作用には、どの様なものがありますか?
A
添付文書に記載されている副作用は、発疹・発赤、悪心、嘔吐、便秘、食欲不振、排尿困難、口渇、めまい、眠気などです。

リン酸ジヒドロコデインを配合しているものは便秘することがあります。抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン)は、口渇、眠気及び膀胱の緊張を減少させて、排尿困難を起こす場合があります。

イブプロフェンは、まれに首筋の突っ張りをともなった激しい頭痛、発熱、悪心・嘔吐などの症状が現れる場合があります。この様な症状は特に全身性エリトマトーデス又は混合結合組織病の治療を受けている人に多く報告されています。また、胃腸障害として寒心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感などの自覚症状の他、消化性潰瘍、胃腸出血などの報告がされています。したがって胃・十二指腸潰瘍を起こしている人や起こしたことのある人は悪化したり、再発する恐れがあるので服用には注意が心要です。

Q10
解熱鎮痛剤の副作用には、どの様なものがありますか?
A
添付文書に記載されている副作用としては、発疹・発赤、痒み、胃痛、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、胃部不快感、口内炎、便秘、日のかすみ、耳なり、めまい、浮腫、眠気などです。

Q11
鎮咳去痰剤の副作用には、どの様なものがありますか?
A
副作用として、発疹・発赤、悪心、嘔吐、便秘、腹痛、食欲不振、下痢、口の渇き、めまい、排尿困難、眠気などの症状が現れる場合があります。便秘はリン酸ジヒドロコデインによります。又、眠気、排尿困難、口の渇きは抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン)の作用によります。

Q12
胃腸薬の副作用には、どの様なものがありますか?
A
添付文書に記載されている副作用は、アレルギー症状(発疹、痒み等)、口渇、下痢または便秘などです。ロートエキスが配合されている場合、唾液分秘が減少し口の乾きが生じます制酸剤メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの作用で便秘(アルミニウム)又は下痢(マグネシウム)が現れます。グリチルリチン酸が配合されている場合は、大量に服用すると、ナトリウム貯留、カリウムの排泄促進が起こり、血圧の上昇、浮瞳、手足の麻痺などが起こることが報告されています。これらの症状は服用を中止することにより軽快しますが、血圧の高い人や高齢者、心臓や腎臓に障害のある人、浮腫のある人などは特に注意が必要です。

Q13
乗り物酔の薬の副作用には、どの様なものがありますか?
A
添付文書に記載されている副作用は、発疹・発赤、かゆみ、動悸、頭痛、顔のほてり、異常なまぶしさ、排尿困難、口の渇き、便秘、下痢、眠気などです。

動悸はカフェイン。頭痛、顔のほてり、異常なまぶしさ、排尿困難は副交感神経遮断薬(臭化水素スコポラミン)。口の渇き、便秘、下痢はアミノ安息香酸エチルあるいは臭化水素酸スコポラミンの作用が強く現れたものと考えられます。

抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン)や塩酸メクリジンは、人によっては口の渇きや眠気、排尿困難などをもよおすことがあります。

(参考)
1週間以上続けて服用していて、服用を中止した場合にリバウンド現象をおこし頭痛、めまい、吐き気、悪心などの症状が現れる場合があります。このような場合には、2〜3日様子を見て、良くならなければ医師に相談し、指示を受けてください。尚、症状がひどい場合には、すぐに医師の診察を受けてください。

Q14
目薬の副作用には、どの様なものがありますか?
A
添付文書に記載されている副作用は、日の充血、かゆみ、腫れなどです。このような症状は、薬が目に合わないか、あるいは薬によるアレルギー症状であることが考えられます。したがって、このような症状が現れた場合に、継続して使用すると症状を更に悪化させる恐れがあるので、使用を中止し医師に相談し、指示を受けてください。

塩化リゾチームは、鶏の卵白から得られる塩基性のポリペプチドで人によってはアレルギー症状(発疹・発赤、かゆみ、悪心、発熱など)をおこすことがあります。アレルギーを起こしやすい人や過去に鶏卵でアレルギー症状を起こした人は特に注意が必要です。

Q15
内服の鼻炎薬の副作用には、どの様なものがありますか?
A
添付文書に記載されている副作用として、発疹・発赤、かゆみ、悪心・嘔吐、口の渇き、食欲不振、排尿困難、眠気などです。

抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン)は、膀胱の緊張を減少させ排尿困難に、又、口渇、眠けをもよおす事があります。

交感神経興奮剤(塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸フェニレフリン)は、末梢血管を収縮させる作用があるため、血圧を上昇させたり、血液の分布を変化させて心臓を刺激したりする事がありますので、高血圧や心臓病の人は注意が必要です。又、肝臓のグリコーゲンを分解して血糖を上昇させる作用がありますので糖尿病の人は注意が必要です。

Q16
眠けを取る薬の副作用には、どの様なものがありますか?
A
副作用としては、動悸、ふるえ、めまい、不安、不眠、頭痛、食欲不振、悪心・嘔吐などがあります。これらの症状は、カフェインの過量摂取によって起こるものです。

カフェインには、胃酸分泌亢進作用がありますので、胃潰瘍、胃酸過多の人が服用すると症状を悪化させる恐れがありますので、禁忌として注意が必要です。

Q17
カルシウム剤の副作用には、どの様なものがありますか?
A
服用により、便秘などの症状が現れる場合があります。このような場合には、服用を中止し、様子をみてください。

(8)その他

Q1
ドリンクには、医薬品と清涼飲料水かありますか、どう違うのですか?


Q2
ドリンク剤のカロリーはどれくらいですか?


Q3
パッフ剤で冷感タイフと温熱タイフの使い分けは?


Q4
軟膏とクリームの使い分けは?


Q5
皮膚炎に外用薬を使用する場合、1回に塗る量は?また、1日何回塗ればよいですか?


Q6
痔の軟膏と坐剤の使い分けは?


Q1
ドリンクには、医薬品と清涼飲料水がありますが、どう違うのですか?
A
ドリンク剤は、1回飲みきりの液剤で、そのうち容量100mlのものを"ドリンク剤"、それに対して容量50ml以下のものを"ミニドリンク剤"と呼んでいます。"ドリンク剤"には、医薬品のドリンク剤と清涼飲料水のドリンクがあり、法的な違いは次の通りです。

「医薬品」のドリンク剤は、"薬事法竹に基づき 「清涼飲料水」のドリンクは、"食品衛生法"に基づき
@製造承認・許可を受ける必要があります。 @製造するためには、届出制になっています。
A配合成分名・配合量を記載する必要があります。 A成分名を記載する必要はありますが、配合量は記載する必要がありません。
B能能・効果を記載する必要があります。 B効能・効果を表示することは出来ません。
C薬局、薬店以外では販売できません。 C薬局、薬店のほか、スーパー、コンビニ、駅の売店、自動販売機などで販売することができます。

清涼飲料水とは、乳酸菌飲科、乳および乳製品を除くアルコール分1%未満の飲料の事であり、薬ではありませんので薬効は表示できません。これに対して、用法・用量、使用上の注意、成分などが表示されている医薬品のドリンク剤は、滋養強壮、疲労向後、体力増強を期待して服用される保健薬です。

Q2
ドリンク剤のカロリーはどれくらいですか?
A
100mlドリンク剤の場合、製品によってバラツキがありますが、大体70〜80キロカロリー前後です。

Q3
パップ剤で冷感タイプと温熱タイプの使い分けは?
A
温湿布にするか冷温布にするか、厳密な使い分けはできませんが、およそ次の点を考慮して使い分けするとよいでしょう。

冷感タイプ 温熱タイプ
原因が外因性で急性的な症状に(打撲、ねんざ、つき指、筋肉痛など) 原因が内因性で慢性的な症状に(肩こり、神経痛、腰痛、関節痛など)
☆急性症状がおさまってもまだ自覚症状がとれない場合は、温熱タイプを用いると効果的。 ☆熱や腫れがともなっている時 は、使用しない。

Q4
軟膏とクリームの使い分けは?
A
水溶性基剤や油脂性基剤の鞍膏の場合、患部がびらんやジタジクしている湿潤型の湿疹に、クリームは浸透力が強いので患部がゴアゴア、ガサガサしたり黒ずんでいる乾燥型の湿疹にとくに適します。また、水虫薬では、患部がジクジクしていれば軟膏かクリームを、カサカサしていれば液を使います。

Q5
皮膚炎に外用薬を使用する場合、1回に塗る量は?また、1日何回塗ればよいのですか?
A
普通の湿疹やかぶれには、山盛りに塗る必要はありません。指先や手の平で、軽く数回こすって、表面に残らない程度に塗ってください。症状がひどいときには、少量を回数多く(1日3〜6回)塗り、症状が良くなるにしたがって、塗る回数を減らします。

Q6
痔の軟膏と坐剤の使い分けは?
A
軟膏:外痔核、きれ痔・さけ痔など肛門の出口付近の疾患に使用します。坐剤:内痔核など肛門内部の疾患に使用します。

軟膏と坐剤の併用
外痔核がある場合、奥に内痔核が隠れていることが多いので、軟膏だけでなく坐剤を併用すると一層効果的です。また、坐剤を使用するとき、軟膏を併用するとスムーズに挿入でき、効果もアップします。※注入軟膏は、肛門内に注入または塗布するもので、いわば軟膏と坐剤を兼ね備えたものといえます。

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